佐賀から世界へ、世界から佐賀へ

～「SAGA COLLECTIVE」展示会開催に寄せて～

「SAGA COLLECTIVE」の発端は6年前、2015年のことでした。昔から交流のあった有志に声を掛け、結成されたのが「オールスターズ」というチームでした。JETROのパートナーを招集し、それから本格的にこのプロジェクトがスタートしたのが2年前。新型コロナウイルスの影響で世界は大きな変革を余儀なくされていますが、「佐賀から世界へ、世界から佐賀へ」という私たちの思いは、今もこれからもきっと変わることはありません。

佐賀には、すばらしいプロダクトがたくさん眠っています。そうした佐賀のブランドを、まずは地元の人に愛していただき、日本中、そして世界中に知っていただくこと。さらに、時節が良くなれば、ぜひとも佐賀へ足を運び、雄大な佐賀の土地や文化に直接触れていただきたいと願っています。この地に息づく伝統的な「産業」と、国内外の集客を見込んだ「観光」という2つの側面から、佐賀のブランドを見つめ、育てていくこと。そして、これらのアクションを次世代へとつなげること。これが私たちに与えられた使命だと考えています。

「SAGA COLLECTIVE」では、工芸や食品など通常では交わらない業界が一堂に集まり、共にプロジェクトを動かしています。異なる業界・業種のプロフェッショナルと交流することで多くのシナジーが生まれていることも、とても喜ばしい収穫です。新しい知見や視点に触れ、自らの視野を広げる。互いの仕事に刺激を受け、自社ブランドや自らの技術にさらに磨きをかける。私たちは良き仲間であり、良きライバルでもあるのです。

そんな言葉が口々に語られるのを聞くと、このプロジェクトには無限の可能性があることを実感します。今回開催された２日間の展示会は、グローバル市場を見据えた大きな海原への、大切なステップです。今回はプロトタイプの発表も含まれるため、これですべてが完成というわけではありません。今回生まれたプロダクトをさらに良い製品へと磨き上げ、そう遠くない将来に世界中のお客さまへお届けする——。私たちの抱くこの壮大な夢を現在のチームなら必ず実現できると、私は強く確信しています。